Introduction

「ディベート」と聞いてどんな印象を持つでしょうか?「固い」「難しい」「言い合いは苦手…」etc…

やってみると、実際そうでもないものです♪意外と簡単に出来ちゃうし、ゲーム性も強くて、はまってしまったりしちゃう人続出中のHOTな競技です。

即興性が強く、幅広い教養を得られ、国際大会も頻繁に開かれる……そんな、DEBATEの魅力を余すところなく見て下さい!

Style

私たちがやっているDEBATEはParliamentary Debate(パーラメンタリーディベート)と呼ばれているもので、英国の議会を模した形式です。Styleはいくつかあり、主に…

 ① 世界大会や欧州大会などで広く行われているBritish Parliamentary Style

 ② アジア大会などで行われているAsian Style

 ③ アメリカや日本で最も浸透しているNorth American Style

の三つが挙げられます。ここでは、日本で最もよく行われているNorth American StyleのRuleを簡単に紹介します。


議論開始20分前に提示されるMOTION(論題)に対し、ランダムに割り当てられた肯定/否定いずれかのサイドからそれぞれ議論を展開します。1チームは2人からなり、それぞれに立論/反論のためのスピーチ時間が7分与えられます。計四人のスピーチの後で、各チームの最初にスピーチをした方の人に再度4分のスピーチ時間が与えられ、議論した内容をまとめながら「なぜ自分達のチームが議論に勝ったのか」を説明します。


肯定側はGovernment Side、否定側はOpposition Sideと呼ばれます。各Speaker(論者)は、順番にPrime Minister、Leader of the Opposition、Member of the Government, Member of the Oppositionと呼ばれます。このネーミングも英国議会を模しているんですね。

勝敗はAdjudicator(ジャッジ)によって決せられます。そのため、議論は相手を言い負かすものではなく、ジャッジを説得するものであることが求められます。

Features

では、そんなParliamentary Debateの特徴や魅力を紹介して行きましょう☆


  • 即興性と幅広い教養
    ゼミや授業で行われるディベートというと、事前に与えられた論題に対して何日も、時には何週間も準備をして議論に望む…というものが一般的です。しかしそれでは、事前に用意された原稿や調べ上げられた膨大な資料を読み上げるだけ…そんな議論になってしまいがちです。

    私たちが行っているDEBATEでは、論題が発表されてから議論が始まるまでたったの20分です!!この短い時間の中で自分たちの主張を組立て、相手の展開する議論に対して反論を行います。手元にある知識だけで対応するので、非常に即興性が強く、同時にゲーム性も強いです。そのため、まったく同じ議論やスピーチはどこにも存在しません!たとえ論題が同じでも毎回違った内容で議論を展開するのです。

    また、議論される論題は当然毎回違ったものになります。分野はバラエティに富み、政治、医療、教育、軍事から文化、時には恋愛についても議論したりします(笑)そのため、このDEBATEを通じて得られる教養は多岐にわたり、就職活動やゼミでの発表など様々な場面で生かされてきます♪


  • 論理的思考能力
    毎回違った論題を議論していると、たまに自分がほとんど知らない事柄について議論をする時もあります…。
    わずかな事実を手掛かりに理論を組み立てていくことで、頭の中で物事を整理する知識の地図を描けるようになります☆

    また、Parliamentary Debateにおける論題(Motion)は、たいていの場合「煙草を禁止すべき」や「環境税を導入すべき」などといった具体的な政策であることが多いです。そのため、例えば純粋に「煙草が良いか悪いか」だけではなく、その政策が社会全体に与える影響なども議論の対象となるので、ものごとを広い視野でとらえられる力も同時に得られます◎

  • スピーキング/プレゼンテーション能力
    Parliamentary Debateでは、議会を模しているためジャッジは何か特定の事柄の専門家などではなく、一般聴衆(Average Reasonable Person)であることを想定されています。そのためDebaterは、誰にでもわかるように工夫をしながら説明をしていきます!!自分が頭の中に描いている事柄をどうやって他人に正確に伝えるか。Communicationの最も基本的な要素ですね♪自分が話す内容を整理し、ジェスチャーや時には演技も交えながら自分たちの主張を説明していきます。これは日本語で何かを説明する際にもかならず役に立ちます!

  • 国際性と英語力
    慣れてくると、Parliamentary Debateでは、英語で文章が書かれた原稿をそのまま読むということはまずありません。なので、その場で考えたことを英語になおしながら説明していくのです!繰り返すうちに、考えたことがそのまま英語で出てくるようになります。高校までの勉強や受験勉強では主にインプットの作業をしてきましたが、それをアウトプットしていくことでこれまで学んできた単語や文法が本当に自分のものになっていくのです♪自然なことですが、英語力は飛躍的に伸びます。

    また、Parliamentary Debateは世界的にもっとも普及しているDebateです☆国際大会も毎年頻繁に開かれていて、日本にいても海外のDebaterや学生、コーチと触れ合う機会に満ちています。

    毎年末から年始にかけては世界大会が開かれ、去年はアイルランドのUniversity College Corkで、一昨年はタイのAssumption Universityで開催されました。三年前にカナダのUniversity of British Columbiaで開かれた世界大会では成蹊大学がEFL(English as Foreign Language)クラスで準優勝を飾りました!日本では毎年ICU(国際基督教大学)が大会を主催し、海外のDebaterを招聘しており、また昨年には日本ではじめて北東アジア大会も開催されました。ここでも成蹊大学はEFLクラスで準優勝を果たしています!!

    しかしこうした大会の何よりの魅力は「生きた英語」との触れ合いです。Debate中はもちろんのこと、空いた時間にする雑談や「Social」と呼ばれる国際大会での飲み会での会話はどこの国の学生にとっても一番の楽しみと言えるでしょう♪英語が満足に喋れなくても、飲んでいればなんとなく伝わるし、細かいミスはお互い「まぁいいや」って空気なのでとにかく楽しいのです(笑)Nativeの学生以外でも台湾やタイ、韓国などアジアの学生との触れ合いもとても楽しいです☆

    大会以外にも、JPDU(Japan Parliamentary Debate Union)が毎年夏と春に開催する2泊3日のセミナーでは近年海外のトップディベーターを招聘していて、世界チャンピオンとディベートしたり英語でレクチャーを受けたりと、楽しいイベントがたくさんあります◎

  • 他大学/社会人との交流
    さてさて、いろいろとディベートについて紹介してきましたが、最後に一番大学生らしい魅力を紹介しましょう(笑

    Parliamentary Debateが日本で行われるようになってから、実はまだ約20年程度なのです。しかしその間に参加大学は飛躍的に増え、今では…どれくらいでしょうか。今度数えてみます(笑)大会や練習会など、Parliamentary Debateの集まりは非常に和気あいあいとしていて、ライバル大学とも非常に仲が良いのが特徴です♪ICUや東大、青学のDebaterが成蹊に練習に来たり、成蹊のDebaterが慶応や上智に練習に行ったり、練習や大会の帰りにいくつもの大学が集まって飲みに行ったり食事に行ったり…。他大学の学生と組んで大会に出たり、たまにDEBATEとはなんの関係もない所に遊びに行ったりと、とても楽しいコミュニティなのです☆

    また、大会は全国各地で開かれ、北九州に行ったり大阪、京都に行ったりと、観光と大会を両立しながら地方遠征にもよく行くのです♪各地の大学のDebaterとも仲がよく、行った先の地元のDebaterに観光案内をしてもらう…なんてこともあります(笑

    さらに、社会人の皆さんと交流が持てるのも大きな魅力の一つです。大会や練習会で、ジャッジやDebaterとしてDEBATEを楽しまれている社会人の方は大勢いらっしゃいます。OB/OGの皆さんが参加できる緒大会や、東大が主催する社会人練習会などで触れ合える社会人の皆さんは社会でも活躍されている方々がほとんどで、私たち大学生としてはとても刺激的です。いろんなお話を伺ったり、就職活動の相談をしたり、もちろんDEBATEを教えていただいたりと、普段から大変お世話になっているのです。


    ディベートについてたくさん説明させてもらいましたが、ここに書かれていることはほんのごく一部です♪Seeing is believing(百聞は一見にしかず)!ぜひ一度見にきて、生のDEBATEを体感してみてください☆